ここまで、中枢性睡眠時無呼吸について基礎編、病態編とお話してまいりました。最後は治療編です。ごくごく簡単に、寝ている間に呼吸が止まってしまう理由などを解説しようと試みていたのですが・・・どんどん難しくなっちゃいました。も〜〜っと思われてる方は、おわかりですね!必殺“読み飛ばし術”、読んだふり、理解したふりで次のお話も是非是非お読みいただければ嬉しく思います。
結局、脳とか心臓の不具合で睡眠中に呼吸が停止してしまうのが、中枢性睡眠時無呼吸の病態です。脳(呼吸中枢と言われている視床下部)の不具合と言っても、脳のどこが?どの細胞が?はわかっていないので根本的治療法もわからない・・が回答となります。なんだよ・・って感じですね!だから脳は大切に大切に頭の骨(頭蓋骨)で守られているのですね。ただ症状に対しる対症療法(中枢性無呼吸に対する呼吸させる療法)はありますので、心不全治療も含め解説させていただきます。ちなみに対症療法というのは、スッとお分かりでしょうか?例えば近視で目が見えないのでメガネをして授業を受ける。メガネをかけるとよく見えるけど、メガネを外すと見えなくなる、このメガネの治療が対症療法です!根本治療(完全に治す)ではないということです。ご理解いただけましたでしょうか?(知ってるよ〜バカにすんな〜って方は・・失礼しました。)
中枢性無呼吸の治療において、脳に対する治療方法はありません。そのため、ここでご紹介できるのは心不全に起因する中枢性無呼吸に対する治療法となります。
① CPAP(持続陽圧呼吸療法)の治療です。CPAPは気道や肺に一定圧をかけることにより、心臓の前負荷・後負荷の軽減作用があり心不全患者さんにおいて治療効果が期待できます。しかしながら中枢性無呼吸患者の60%には効果がないという報告もある様です。効果がある人はいいけど、全員には効果がないということです。
② その他の在宅呼吸器モードの治療です。例えばBi-level PAP(2相性気道陽圧)使用ですが、効果ありという報告と悪化したという報告があります。さらに以前より有効と考えられていたASV(Adaptive Servo Ventilation:順応性自動制御換気)+PS(Pressure Support)を自動感知設定の治療ですが、海外の研究で心血管死亡、全死亡上昇の結果があったようで、推奨から外れたという認識です。①も②もあまり効果的な対症療法ではない感じです。
③ 心不全治療です。利尿薬や硝酸薬の使用により水分の体内貯留を改善、肺うっ血の改善することにより、過換気の状態を予防することで中枢性無呼吸が改善されると言われています。また心拍数をゆっくりさせ心収縮力をマイルドにするβ遮断薬、心臓再同期療法、心臓リハビリテーションも中枢性無呼吸を改善させると言われています。 ですがですが、何だかこれっていう治療方法がないので・・中枢性無呼吸症候群となると・・なかなか良くならない印象です。100%は治らないのですが、ある程度は良い方向へ持っていけますので、諦めてはいけません。
人生折り合いをつけて生きていくしかないので・・・菩薩やお釈迦様の心で一緒にお遍路歩きましょう!
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