中枢性睡眠時無呼吸ってどうゆうこと?そもそも中枢性ってどういう意味なのでしょうか?
医学の世界では中枢性と末梢性とかよく言われます。人間の中枢はどこか?それは脳ですね。脳には大脳・小脳・中脳・間脳・扁桃体とか視床下部とか・・様々な部位が存在します。睡眠を支配する部位は、視床下部と言われています(正直全てはわかっているわけではないのですが・・)。イメージとしては、大脳は人間の高次機能(人間である計算やクリエイティブな発想、コミュニケーション等)をつかさどり、頭の中心に行けば行くほど生命維持に関与する中枢と考えられています。視床下部は脳の最も中心にある部分です。
そのため中枢性睡眠時無呼吸とは睡眠の中枢が問題で呼吸しない、呼吸しろ〜っという指令が出ないので無呼吸となってしまう病態です。え〜〜聞いただけで恐ろしい!
中枢性睡眠時無呼吸は2つに分類されます。
・チェーンストークス呼吸がある中枢性睡眠時無呼吸
・チェーンストークス呼吸がない中枢性睡眠時無呼吸
ここではまず、チェーンストークス呼吸がある中枢性睡眠時無呼吸を解説します。
まずは、中枢性睡眠時無呼吸の診断基準ですね!
診断基準(AまたはB+C+Dを満たす) |
A 最低1つ存在 1 眠気 2 入眠や睡眠維持の困難、頻回の中途覚醒、非回復性の睡眠 3 呼吸困難による覚醒4 いびき5 無呼吸の観察 |
B 心房細動や心房粗動、うっ血性心不全、神経疾患がある |
C PSG(気道陽圧呼吸タイトレーション検査)で全てを認める 1 5回/hr以上の中枢性無呼吸・低呼吸 2 中枢性が全ての無呼吸低呼吸の50%以上 3 チェーンストークス呼吸(CSB)の基準を満たす |
D 他で説明できない |
注意:チェーンストークス呼吸(CSB)を伴う中枢性睡眠時無呼吸(CSA)の診断はOSAの診断を除外するものではない |
上記を満たすものが、チェーンストークス呼吸がある中枢性睡眠時無呼吸と診断されます。では、チェーンストークス呼吸(CSB)ってなんでしょうか?という疑問にぶち当たりますよね!チェーンストークス呼吸とは、浅い呼吸と深い呼吸(通常の呼吸)が混在する呼吸とでも言えるでしょうか?
通常の呼吸がだんだん浅い呼吸になる
→ 時折、呼吸が止まる
→ 浅い呼吸が再開する
→ 通常の呼吸へ
の周期を睡眠中に繰り返す呼吸です。ちょっとわかりにくいのですがマニアの方には必見、お得意の診断基準です!
チェーンストークス呼吸診断基準
1 40秒以上の周期のある呼吸 |
2 その間に3つ以上続く中枢性呼吸イベント |
3 5回/hr以上の無呼吸・低呼吸が2hr以上の記録で認める |

チェーンストークス呼吸があっても必ずしも病的な中枢性無呼吸かというと、そうとは言えないケースもあるようです。チェーンストークス呼吸を有するケースは、交通事故で頭部外傷された方や脳腫瘍、脳卒中(脳梗塞や脳出血)、心不全の方にも認めるようです。中枢の問題=脳の問題なので、なんか想像できますね。ちょっと長くなりますので、病態(どうゆうメカニズム?)や治療については次の項目で解説させていただきます!
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