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要約
パワーナップ(お昼寝)のコツは、この4つです。
① 20分程度で仮眠を切り上げる (深睡眠に入る前に起きる)
② 14時までに仮眠をとる (夜と勘違いさせない)
③ 脱力できる安定した姿勢で仮眠する(覚醒反応を減らす)
④ 眠る前にカフェイン (起きたい頃に効いてくる)
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最近、企業でも仮眠(パワーナップ)が注目されています。かっこいい言い回しですが、つまるところお昼寝です。小さい頃は寝たくないのに”お昼寝しなさ〜い”と怒られた記憶、ありませんか? 寝る子は育つ、そして仮眠は仕事の効率を上げると言われています。ランチの後に眠いのを我慢してデスクに向かっても作業効率が悪いだけです。眠いときに眠るのは、正しい選択だと思います。ただし、お昼寝のやり方を間違えると逆効果になります。今回は仮眠(パワーナップ)の3箇条をご紹介します。
①仮眠時間は20分程度にとどめる
なぜ仮眠時間が20分なのか?理由は2つあります。
・覚醒しやすさ
・夜の睡眠を邪魔しないこと
夜の睡眠と同様にお昼寝においても入眠後急速に深い睡眠へ入っていきます。ノンレム睡眠のなかでも深睡眠と呼ばれるN3です(睡眠にはN1〜N3とレム睡眠という、脳波上の深さの区分があります)。個人差はありますが、入眠後30〜40分でN3まで深まると言われています。深く眠ること自体は良いことです。しかし昼間に限っては、大きなデメリットがあります。起きにくいということです。そこで20分、お昼寝のタイムリミットです。深睡眠に到達する前に切り上げれば、目覚めがスムーズで軽い刺激で起きる事ができる上にスッキリした気分になります。結果として午後のパフォーマンスが向上する、というわけです。つまりお昼寝の狙いは、“たっぷり眠ること”ではありません。深く沈む手前で引き返すことです。浅いところで浮かんでいるうちに戻ってくる。そう考えると20分という数字にも納得できます。眠りにつくまでの時間を考えると、実際に眠っているのは10分ちょっとかもしれませんがそれでも十分効果的と言えます。
逆に・・・長い(2時間以上)昼寝は、体内時計を壊します
例えば2時間以上お昼寝をしてしまうと、前述したように深い睡眠ステージ(N3)から無理やり覚醒することになります。結果として起きた後も眠気が残り、頭に霧がかかったような感覚となる訳です。そして当然、よく眠ってしまったので夜に眠くなりにくくなり体内時計が狂う原因となります。定年後の男性が、急に昼間時間ができて自宅で昼食後にお昼寝を長時間してしまい、“夜、眠れない”と睡眠クリニックを受診されるケースが多いのは、まさにこれが理由です。睡眠の総量(必要量)は概ね決まっていますから、昼に前借りすれば夜は残りません。
“昼寝をしたら夜眠れなくなった”という方は、お昼寝の時間の長さを疑ってみてください。お昼寝そのものが悪いのではなく、長すぎるのが問題なのです。長時間お昼寝してしまうことが心配な方は、横にならずに椅子で眠るのも一つの手です。快適すぎない場所のほうが、お昼寝2時間コースに突入しにくくなります。もちろんアラームは必須です。
②仮眠は14時までにとる理由
2つ目の箇条です。仮眠の時間が17時や18時になると、それはもう仮眠ではありません。体は「夜の睡眠が始まった」と勘違いします。その結果夜に眠れなくなってしまいます。だからこそ、できれば14時までにとどめることを推奨します。ちょうどランチの後の自然に眠くなる時間帯ですね。眠気が来るタイミングと仮眠に適した時間帯が重なっていることを上手に利用すべきです。夕方の眠気は、素直に夜まで持ち越すのが正解です。ここで20分寝てしまうと、せっかく溜まった眠気(睡眠圧とも言いますが・・また別の章で解説させていただきます)を使い切ってしまいます。夕方の眠気は、その日の夜のための貯金だと思ってください。帰りの電車でウトウトしてしまう方も同様です。その15分のウトウトが、夜の寝つきを悪くしている原因の1つと言えでしょう。

③安定した体勢で眠る理由
3つ目は姿勢のお話です。安定した体勢は睡眠に欠かせません。 不安定な姿勢で眠ると、体勢を保持しようとするたびに覚醒反応が起きて十分な睡眠の妨げになります。前回お話しした“電車で船を漕ぐ”がまさにこれです。眠っているようで眠っていない。
ではオフィスではどうするか。おすすめはこんな体勢です。
- 椅子に座り机の上に枕や毛布を置いて抱えるように前かがみで体を安定させる
- 耳栓やイヤホンで外部の音を遮断する、又はリラックスできる音楽を小さな音で流す
- アイマスクで光を遮る、ホットアイマスクで温めてリラックスする
音・光・温度、以前ご紹介した睡眠環境の3大要素は、20分の仮眠にもそのまま当てはまります。全部そろえなくても、どれか1つ足すだけでお昼寝の質は変わります。
ポイントは「体を支える力を抜いても大丈夫な状態」をつくることです。首や腕がどこにも預けられないまま眠ろうとすると、体は無意識に踏ん張り続けます。それでは休息になりません。机に突っ伏す姿勢が理にかなっているのは、そのためです。
④ 眠る前にカフェイン(裏ワザ:お昼寝前にコーヒーを飲む
最後にパワーナップ(お昼寝)のテクニックを1つご紹介します。眠る前にコーヒーなどのカフェインを摂取しておくという方法です。“起きるために飲むのでは?”と思われるかもしれませんが、順番が大切です。カフェインが体内に入って効果を発現するまで、20〜30分程度かかると言われています。つまり飲んでから横になれば、ちょうど目覚めたい頃に効き始める計算になります。カフェインをタイミングよく摂取することで、よりスムーズな覚醒が得られるというわけです。ちなみに私は、カフェインで覚醒作用をまったく感じません。それでも多くの方には効くようですので、試す価値はあると思います。なお、以前お伝えしたとおりカフェインの半減期は2〜8時間です。14時までという①②のルールを守っていれば、夜への影響も抑えられます。ここでも時間のルールが大切なのですね。
◯ まとめ
パワーナップ(お昼寝)のコツは、この4つです。
① 20分程度で仮眠を切り上げる (深睡眠に入る前に起きる)
② 14時までに仮眠をとる (夜と勘違いさせない)
③ 脱力できる安定した姿勢で仮眠する(覚醒反応を減らす)
④ 眠る前にカフェイン (起きたい頃に効いてくる)
お昼寝はサボりでも贅沢でもありません。午後の数時間を買い戻すための投資です。ただし、長く寝れば得をするわけではないところが面白いところ。20分で切り上げる勇気こそが、パワーナップ(お昼寝)最大のコツかもしれません。


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