赤ちゃんが寝ないのは当たり前! その1

睡眠と生活

ーー 要約 ーーーーーーーーーーーーーーーー

・赤ちゃんには、まだ体内時計がない

・月齢で眠りは成長する

・赤ちゃんは脳を作るレム睡眠が多い

・親は“バラバラ睡眠”と“集中睡眠DAY/週で乗り切る

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 ”赤ちゃんだった頃、私は眠かった”そんなことを言う人がいたら、きっと嘘つきです。誰も自分の赤ちゃん時代の眠さなんて覚えていません。

私の赤ちゃんの睡眠の思い出は、我が子たちの寝顔を観察していた記憶です。我が家には3人がいるのですが、寝る時間も起きる頻度も見事にバラバラでした。つまり、赤ちゃんの睡眠には正解はないということです。偉そうに書いていますが、我が家で赤ちゃんのお世話の大部分をしてくれたのは妻です。本人に聞かれたら「あんたはなんにもしてないじゃないか〜!」と激怒されるのは間違いありません。申し訳ない思い出がいっぱいなので、感謝は今も伝え続けています。

今回は「なぜ赤ちゃんは寝ないのか」を、体の仕組みから見ていきます。

◯ 新生児には、まだ体内時計がありません

 生後1ヶ月までの新生児は体内時計が未熟です。今が朝なのか夜なのか、起きて動くべきなのか、静かに目を閉じて眠るべきなのか?赤ちゃんにはまったくわかっていません。大人は違います。明るくなれば目が覚め日中は元気に動き、夜になると静かに過ごして眠気を誘うメラトニンの分泌が増えていく。この一連の流れが自動で回っています。しかし、この一連の睡眠までの流れは生まれつき備わっている機能ではありません。日々の生活を繰り返すなかで体内時計が動きだし、時間をかけて獲得していくものです。

 つまり「夜なんだから寝てほしい」という大人の願いは、赤ちゃんにとってはまだ理解できないルールなのです。寝ないのではなく、夜という概念を持っていない。そう思うと、少し腹も立たなくなりませんか?深夜3時にぱっちり目を開けている赤ちゃんは、いたずらをしているわけでも親を困らせたいわけでもありません。本人のなかでは、ただ「起きる時間になったから起きた」だけなのです。

◯ 月齢で変わる、眠りのステップ

成長とともに、睡眠は段階を追って安定していきます。

・生後1ヶ月(新生児期):2〜4時間ごとに目を覚まします。授乳、おむつ交換、体温の調整(暑い〜、寒い〜)などのケアが必要です。胃が小さいので1回に飲める量が少なく、すぐお腹が空いてしまいます。発汗も上手ではないので体温調節も未熟です。

・生後3ヶ月:夜間の睡眠が長くなり3〜6時間まとめて眠れるようになります。

・生後6ヶ月:睡眠が安定し6〜8時間連続で眠れる日が出てきます。夜中に目が覚めても、自分で再び眠りにつけることもあります。

・生後12ヶ月:夜間の睡眠が10〜12時間に。ここまで来れば大人の睡眠リズムに近づいてきます。

 赤ちゃんには、たくさん眠ってどんどん大きくなってもらわないといけません。すると大脳の成長にともなって、睡眠サイクルも大人に似た形へ変化し安定していきます。ここで大切なのは、上記した事はあくまで目安だということです。冒頭で書いたとおり我が家の3人もまるでバラバラでした。“生後3ヶ月なのにまとまって寝てくれない”と落ち込む必要はありません。表より遅い子も早い子もいて、どちらも普通です。

 そして意外と見落とされるのが“鼻づまり”です。大人でも鼻が詰まると眠れませんよね。我が子も“鼻くそ”による呼吸困難と思われる“フガフガ呼吸”に毎晩困惑させられていました。鼻閉は快眠の敵です。お腹も満たした、おむつも替えた、それでも泣きやまない。そんなときは鼻を疑ってみる価値があるかもしれません。

◯ レム睡眠が多いのは、脳を作っている最中だから

 赤ちゃんがすぐ目を覚ますのには・・・もう一つ理由があります。

 レム睡眠の割合が非常に多いのです。睡眠に占めるレム睡眠の割合は、新生児期でおよそ50%、1歳頃で30%、成人では20〜25%と成長により減少していきます。生まれたては眠りの半分がレム睡眠というわけです。レム睡眠は浅い眠り(厳密には浅い眠りというわけではなく、異なる眠りと表現するのが適切かもしれません)なので、赤ちゃんは目を覚ましやすい。“なんですぐ起きるの”の答えの1つがここにあります。

 では何故レム睡眠が、赤ちゃんには多いのか?それは、レム睡眠は脳の神経回路の連結を強める働きに大きく影響し、大脳も体も大きく成長させていると考えられています。つまり赤ちゃんは寝るのが下手なのではありません。脳を組み立てるのに一生懸命なので、その工事にレム睡眠が必要なのです。夜中に赤ちゃんが何度も起きるのは、赤ちゃんが自分で成長している証拠です。そして、大人になるにつれてレム睡眠の割合が減っていくのも納得のいく話です。回路の大工事が一段落すれば、そこまでレム睡眠を必要としなくなる。赤ちゃんの眠りが不安定なのは未熟だからではなく、“その時期にいちばん必要な形をしているから”と言ったほうが近いのかもしれません。

◯ 親は「バラバラ睡眠」と「週1の集中睡眠DAY」で乗り切る

 赤ちゃんの睡眠がバラバラなら、親の睡眠もバラバラになります。ここでママ、パパに大切なアドバイスです。まとめて眠むろうと思わないことです。赤ちゃんが眠った30分、1時間の細切れの時間を親の睡眠のために活用していく事が大切です。またママとパパで担当の時間帯を分け、夜の前半はパパ、後半はママ、という具合に役割分担が有効です。そうすることでママ・パパとも中途半端に起きて2人とも寝不足、という最悪のパターンを避けられます。赤ちゃんの日中の安全のためにも、親御さんの寝不足は良くないです。

 そしてもう1つ、週に1日集中睡眠DAYを確保することをおすすめします。例えば、その日パパが赤ちゃんのお世話を全面的に引き受け、ママはフリーの1日を思いっきり眠ることに使用する。翌週は交代することで、家族全体がハッピーになると思います。細切れ睡眠だけで何ヶ月も走り続けるのは、大人の体にもきついものです。週1回の「今日は眠れる」という予定があるだけで、気持ちの持ちようがまるで変わります。ゴールの見えない寝不足と、あと3日で休めるとわかっている寝不足ではしんどさの質が違うのです。この時の最も注意しないといけない点は、代わった側は口を出さないのが鉄則です。せっかく眠る番なのに、泣き声のたびに起きて様子を見に行っては意味がありません。任せると決めたら、任せきる事が大切です。

◯ まとめ

・赤ちゃんには、まだ体内時計がない

・月齢で眠りは成長する

・赤ちゃんは脳を作るレム睡眠が多い

・親は“バラバラ睡眠”と“集中睡眠DAY/週で乗り切る

 赤ちゃんが寝ないのは育て方が悪いからでも、その子が特別に手強いからでもありません。体内時計がまだ育っておらず、眠りの半分が脳の形成に必要なレム睡眠だからです。つまり人類・動物の成長する上での計画通りという事です。だから親の側がやるべきことは、赤ちゃんを大人の睡眠リズムに合わせようと格闘することではありません。赤ちゃんが育つまでの数ヶ月間、いかに自分たちが倒れずにこの期間を乗り越えるかです。バラバラ睡眠と週1の集中睡眠DAYは、そのための現実的な作戦です。私の少ない経験からですが、赤ちゃんの欲求と自分の対応がぴたりと一致した時、びっくりするほどスヤスヤ幸せそうに眠ってくれた記憶が忘れられません。今思うと3人目は正答率が高かったですね。親のほうもレム睡眠で成長できていたのかもしれません。

  まだまだ、解説が不足してますので・・・残りは、”その2” へ。

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